最後の将軍
司馬遼太郎の「最後の将軍」を読みました。徳川慶喜についての印象は、「家臣が官軍と戦う準備をしている時に、こっそり大阪城から逃げ出してしまったずるい将軍」ぐらいのものでしたが、この本を読んで印象が変わりました。徳川慶喜は将軍でありながら幕府の限界を心得ていたのですね。世の中が大きく変わろうとしている時、今までの権力や体制にしがみついていたがるのが普通の権力者でしょうが、慶喜はあっさりとそれを手放してしまった。そんなことはなかなか出来ることではありません。大政奉還に応じた慶喜は、時代を見据えていた、という点で素晴らしかったのだと思えるようになりました。（ただ、会津藩や新撰組など、幕府のために最後まで戦おうとした武士たちは大変かわいそうでしたが）
幕末のお話はとても面白い。こんなダイナミックな変革の時代がこの日本にあったのだと思うと日本人として誇らしい気持ちになります。
今は、長州藩の吉田松陰と高杉晋作を中心とした、「世に棲む人々」全４巻を読んでいます。これも今のところとても面白い展開です。また感想を書いてみたいと思います。
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