「深い河」

nozomi612015-04-21

遠藤周作の後記の作品。妻に先立たれた男が これまで妻に優しくしてやれなかった後悔に苦しみ、「妻の生まれ変わりに会えるのではないか」とインドへのツアーに参加する。ほかのツアー客もそれぞれの課題をもっている。

遠藤周作の作品は20代のときに、エッセイばかり沢山読んだ。遠藤先生の言葉にどれだけ元気づけられたことだろう。しかし、小説の方は とても難しそうで手を出さないままだった。
この作品は50代になったからこそ 共感できる作品だと思う。作品では「こうしたら 幸せになれるとか楽になれる、という結論は書いてない。だけれど、この作品を読むと 人間の寂しさや醜さこそ 人生について考えるきっかけを与えてくれるのだと感じる。そして、考えることによってその人の人生を 少し豊かなものにするのではないだろうか。

健幸堂のHP
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