ハイジ
誰もが知っている「アルプスの少女ハイジ」の原作を読んでみたら、予想以上に感動しました。
まず自然描写の美しさに夢中になってしまいました。夕方、日の暮れる前になると 周囲の山に夕日が当たって山々が金色からばら色に変化してゆく・・・文章から想像するだけでワクワク。山の植物の描写も素敵で、読んでいると 私が登山の時に感じる山の匂いがよみがえってくるようです。
山に来ると元気になる・・・といつも感じます。体はヘトヘトなのに、エネルギーがチャージされているような そんな感じです。だから 病気のクララもアルプスの山に来て、食欲も増し、歩けるようになったのでしょう。そして クララを支えるハイジやおじいさんや その他の人々の暖かい気持ちが素晴らしい。
こんかいの読書で、ハイジの物語は キリスト教の精神を子供に伝えるためのお話でもあるんなんだな、と感じました。ハイジは 祈りを忘れません。
おじいさんから引き離されてフランクフルトに連れてこられた時、ハイジは慣れない都会生活で心身ともにおかしくなってしまい、おじいさんの処へ戻れるようにと神様に祈りまた。でも、その祈りはかなえられませんでした。
その後ずっと後になってハイジの夢遊病がひどくなってようやく帰ることが出来、全てが円満になった時、ハイジは言いました。
「もし私が一生懸命お祈りしたことを 神様がすぐにききとどけてくださったらこういうこと(おばあさんにしろパンををあげたり、字が読めるようになって賛美歌を読んであげられるようになった)は出来なかったのね。神様がお祈りをきいてくれなくても、神様をうらむようなことをしないようにしましょう。神様は すぐにはきいてくださらなくても、もっと、ずっといいことを考えていらっしゃるのね。神様に忘れられないように、私達も お祈りをわすれず 神様を忘れないようにしましょう。」
自分の願いがすぐに受け入れられなかったとしても あきらめず、日々の生活に感謝して 希望を持ち続ける・・・私はキリスト教者ではありませんが、よい考えだなあ、と思いました。
春になりました。ハイジを読んだら もう頭の中が「山モード」になってきました。若葉の匂いを楽しみに、金華山からもう少し足を伸ばして登りたい気分です。