播磨灘物語

nozomi612007-06-17

鍼の勉強会で、実習の時いつもペアを組む先生が兵庫県姫路市の方なのですが、「姫路城って、誰が建てたんですか?」と質問したら「さあ?」というお返事でした。私も名古屋城を誰が建てたか未だにしらないのと同じです。

そうしたら、ある日患者さんが司馬遼太郎の「播磨灘物語」3巻を貸してくださったのです。大変細かい字の2段組の3巻ですので読み応えばっちり。それを読んで豊臣秀吉の軍師であった黒田勘兵衛のお父さんが他の地から流れてきて最初に現姫事情に居ついたのだ、と分かりました。そして、勘兵衛は、秀吉に忠誠心を見せるためにあっさりと自分の城を秀吉にプレゼントしてしまったのです。

戦国の武将としては、あまりに無欲な紳士です。自分の才能が秀吉に妬まれているのをうっすらと気づき、あくまでも秀吉の部下としての働きに忠実です。晩年、関が原の戦いに乗じて、自分が天下をとろうと1度だけ試みますが、駄目だとわかるとあっさりと隠居してしまいます。

誰もが出世を夢見た戦国時代にありあまるほ才能がありながらトップに立とうとはしない、こんな人が戦国時代に居たのですね。とてもかっこいい生き方の一つでもあると思います。司馬さんの小説は、歴史上の人物の生き方を通じて、いろいろな立場の人の価値観を教えてくれるようです。

播磨灘物語
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