状況は変わらなくても

nozomi612007-03-30

最近患者さんから伺った興味深い話があります。

その患者さんは60歳代で、複数の症状をかかえて治療にいらっしゃっています。

「以前は、嫁ぎ先が厳しくて主人も味方になってくれず、主人に不満を持っていました。でも、私の体がこう不自由になって主人に頼らざるを得なくなってから、私の気持ちも変わってきたんです。主人に対して有難いな、という気持ちが湧き上がってきて、ことあるごとに『ありがとう』と言えるようになりました。主人も最初は照れくさいのか『本気でそう思っているのか?』みたいな皮肉めいたことを言っていましたが、最近は嬉しそうな顔を見せてくれるようになりました。色々な意味で、主人とは以前より良好な関係になってきたんですよ。」

というお話でした。状況は何も変わっていないのに、患者さんの気持ちの変化とそれを『ありがとう』という言葉によって表現したことで、ご主人の様子が変わり、二人の関係が良くなってきた・・・

物事を肯定的にとらえ、感謝の気持ちを素直に表す、ということがどんな人にもきっと大切なのでしょうね。それは、頭で分かっていても、簡単そうに思えてもいざ実行となるとなかなか出来ません。その患者さんは、毎日照れずに実行なさって、とても素晴らしいと思いました。

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