夢見る沼

nozomi612005-08-26

昨日のお休みは、夜の絵のお稽古は先生が夏季休暇でお休み、台風接近で外出するのもちょっと恐ろしく、午前中にジムへ行ったぐらいは家で読書をしました。ちょうど、前日に患者さんが「ロマンチックだよ。」と言って、これまで何度も読み返したことがある、という「夢見る沼」(井上靖著)という恋愛小説を貸してくださったので、今読んでいる本は一旦脇に置いておいて、その小説を読みました。それにしても、井上靖が、恋愛小説を書いていたなんて知りませんでした。

写真をごらんになって下さい。かなり読み込んであるのがよくおわかりになるでしょう。

夢見る沼 (講談社文庫 い 5-4)

夢見る沼 (講談社文庫 い 5-4)

恋愛小説は、自分から読もうと思って読んだことはあまりありませんでしたが、この「夢見る沼」は、一気に読み終わってしまいました。

ストーリーは、親友のフィアンセを好きになってしまう女性、というよくあるお話です。そして、かろうじてキスシーンが1回出てくるだけの純愛小説です。でも、主人公の人を好きになってゆく描写が共感出来、ドキドキしながら読みました。

それと、出てくる女性たちの言葉遣いの綺麗なこと!例えば

「私は、今日失礼いたします。節子さんにお電話おかけになるのはいいと思いますわ。そして、お二人でお話になることに賛成です」

・・・どの女性もこのような美しい言葉を使っています。以前、「女性はちょっと昔の映画を観て、その美しい言葉遣いを勉強しなさい」と言っていた俳優さんがいましたが、ちょっと昔の小説も、とても参考になりますね。ちなみにこの本は、昭和30年が第一刷発行になっています。

一冊の恋愛小説を読んだだけなのに、なんだかいつもと違った時間をすごしたような充実した気分です。



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