ダイエットで太る?!

「Why Diet Makes Us Fat (なぜダイエットをすると太るか)」という ダイエット中の方には驚きのタイトル。著者は Sandra Aamdtという神経学者。

彼女は ダイエットは一時的には成功しても 長期的にはほとんどの人がリバウンドをして失敗する、と述べている。その理論を膨大なデータで裏付けている。無理な食事制限で体重を落としても 必ず脳が「これは危険事態だから 体重をもとに戻せ!」と信号を発し ダイエットをしている人に 猛烈な食欲を起こさせ、かえって過食を招いたりする結果 リバウンドしてしまうのだそうだ。また、体の代謝機能が省エネモードになるため 食事を減らしても痩せにくくなるとのこと。

彼女自身も万年ダイエッターであったのだが、この事実に気づき、「食べたい時に食べたいものを食べたいだけ食べる」「満腹になったら食事をやめる」という食生活に切り替えたところ 体重がずっと安定し、ごちそうを食べても罪悪感を感じることなく楽しみ、食事以外の自分の生活まで楽しめるようになった。

ただし、この食生活は 「モデル体型」を目指すのではなく 小太りのまま維持する人も多いそうだ。つまり、脳が「この体型が健康を保つのにベストだよ」と教えてくれた体型だ。そして、たとえ小太りでも 運動と野菜の摂取はとても大切だと強調している。痩せれば健康になる、と思われがちであるが 太っていても 健康的な生活をしている人は 医学の検査値も良好だという統計があるのだそうだ。

「ダイエットをしないで 今の自分の体を愛し、楽しく過ごそう」というのが結論のようだ。

したがってこの本は ダイエット本ではない。健康なからだと バイタリティー溢れる生活を築くためのヒントだ。

ダイエット中の とくに 若い女性が 著者の結論を素直に受け入れるだろうか?とも感じたが 私にとっては 説得力のある面白い本だった。

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