細雪

nozomi612016-01-05

文豪 谷崎潤一郎の代表的な小説。言葉はやさしく、ストーリーも難しくはない。大阪の 没落した豪商の4姉妹の物語で、主に3女の雪子の結婚に向けた見合い話が話のメインになっている。次女の幸子が 雪子の縁談をなんとかまとめようと奮闘する姿が「やりすぎ」と思えるぐらい一生懸命で 読んでいる私は思わず笑ってしまう場面がいくつも出てきた。幸子は なかなかまとまらない縁談がうまくゆかないのは 雪子のプライドや 4女の妙子が起こしたスキャンダルのせいもあるけれど、自分の落ち度でもあるのではないか、と悩んだりしている。本当に 優しく 心づかいのある姉だ。

姉妹、といえば 私にも 妹がいるが どちらかといえば 私のほうがいつもしっかり者の妹に助けられている。この姉妹とは 正反対だ。でも、この小説を読んで、やっぱり 姉妹っていいなあ、と妹のことを思い浮かべ続けた。

細雪」は 上 中 下巻からなっているが、中公文庫では 3冊分が1冊になっていて、とても分厚い。それでも、姉妹たちのやりとりを面白がって読んでいるうちにわりとあっさりと読めてしまった。しかし、そのようなやりとりが いろいろなエピソードを交えて最後まで続き、いったい谷崎はこの本で何を伝えたかったのかが よくわからなかった。

健幸堂のホームページ
http://www.kenko7.com/