分かりやすかった「昭和史」

nozomi612009-11-10

半藤一利さんの書いた「昭和史」と「昭和史 戦後編」を読みました。中学・高校と歴史の勉強をしたはずですが、昭和史のはスキップしていたような気がします。テレビで戦争のドラマなどを見てもイマイチ良く理解できませんでした。又、太平洋戦争の話を 両親や祖父母、親戚や周りの人達から聞くことはありませんでした。戦争を経験した人達は辛すぎて思い出したくない経験だったのでしょうか?

この本を読んで、なぜ日本が太平洋戦争に突入し、どのように戦後の復興をとげ、今の私たちの生活に つながっているのかが 大変良く分かりました。とても興味深く 面白く つい寝るのが遅くなってしまう本でした。

5.15事件、2.26事件、ポツダム宣言受託、GHQ,東京裁判安保闘争・・・など、言葉では知っていても、詳しいことは知りませんでしたが、本当に分かりやすく書いてあります。

戦争への道のりを知ると、なんとも情けない気持ちでした。国民の中にも、時代の閉塞感を戦争でふっとばしたいような空気が流れていたようです。大変月並みな感想ですが、こんな愚かな戦争を2度と繰り返してはいけないと感じました。半藤さんは、「戦争は儲かる」と書いていますが、今のような不景気な日本で また戦争を起こしたがる「空気」が出てこないように充分注意しなければならないと感じます。

「戦後編」では、憲法改正などに、大変な苦労があったことを知りました。そして終戦後またたくまに復興をとげた様子は 日本人として誇れる点だと思います。アメリカが イスラムの某国に対して同じことをしようとして なかなかうまく行かないのと較べて、日本人の(良い意味での)物事を受け入れる柔軟性、勤勉さは素晴らしいと思います。

又、安保闘争ゲバ棒をもって戦った学生達のパワーは、皆がのんびりとしていた私の大学生時代からは考えられないものでした。デモ行動の良し悪しは別として、それだけのパワーがあったことに驚きます。

私は戦争のない平和な時代に生れて幸福だとあらためて思います。平和が当たり前の時代に生まれ育ちました。だからこそ時代の「空気」に巻き込まれて再び戦争を起こさないようにしなければと思います。歴史の捉え方は、人によって色々で この本に関しても 否定的な方もいらっしゃるようです。でも、昭和史の初心者の私にとって、半藤さんのこの本はとても分かりやすい入門書となりました。今年読んでよかった本の5本の指に入る本でした。

「昭和史」
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