氷点(上)(下)を読む
ブックオフで三浦綾子さんの「氷点」を見つけました。10年ほども前に読んで処分してしまった本ですが、また読みたくなってあらたに買い求めました(と言っても100円なので、申し訳ないほどの安さです)。実は、2年ほど前、この「氷点」が、ドラマ化されていて、「観たい!」と思ったのに身損ねてしまい、ずっと気になっていたのです。もうストーリーも殆ど忘れていましたが、今回はわれながら驚くほど物語に入り込んで、上巻と下巻を一気に読みきってしまいました。
自分の子供を殺した殺人犯の子供、陽子を養女にしたことから始まる、ものすごいストーリーです。そして、その中には、クリスチャンである三浦綾子さんの「原罪」とは何か?というテーマが描かれています。陽子をいじめ抜く継母の夏枝には、最初から「罪」のようなものは感じていましたが、どんな苦境にも明るくまっすぐと生きようとする陽子にも原罪があるのですね。陽子がかわいそうで、最後には涙がでてしまいました。
最初にこの小説を読んだ時、「氷点」とは何を意味するのだろう?と分からなかったのですが、「暖かい心が凍りつく瞬間」のことだったのだと気づきました。この小説の中でいくつも発見しました。「氷点」は誰の中にもあると思います。聖書にはどうすれば救われるかが書いてあるのでしょうか?
久々に、深い小説を読みました。ブックオフで「続・氷点(上)(下)」も買ってきたので、続きも楽しみです。
ところで、この小説の舞台は北海道の旭川の立派な病院なのですが、病院の脇から、大きな森がつづいていて、小説では何度もその森素晴らしさについての記述が出てきます。私の中でイメージがどんどんふくらんで、春夏秋冬、そんな森を散策している想像をめぐらしました。旭川とはどこだろう?と日本地図を開いて確認もしました。札幌よりもっと北です。まだ行ったことのない北海道と言う土地にぜひ行ってみたい、と思わせる小説でもありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B7%E7%82%B9
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