あの戦争は何だったのか
戦争を知らずに育ちました。そして、戦争の事を教わらずに育った気がします。中学と高校の日本史では、太平洋戦争のことは、「こんな戦争がありました」という程度に端折られて、詳しいことは何も習いませんでした。私の祖父母も両親も周囲の人も、あまり戦争の事は語りませんでした。
でも、40代半ばになって、日本の歴史について興味が出てきた今、やはり知っておきたい気がしました。司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読み、日露戦争での勝利が太平洋戦争の悲劇につながった、ということを知り、どうゆうことなのかな、と興味もありました。
保坂正康氏の「あの戦争は何だったのか」には、副題が「大人のための歴史教科書」とあるように、私のような無知な日本人にわりと分かりやすく、太平洋戦争について書かれていました。
読んでみて、日本の軍部が、冷静に考えれば勝てる見込みのない戦争を、だらだらと続けてしまったことを理解しました。悲しく、悔しいような泣きたいような、がっかりした気持ちになりました。
日本の一般市民がどんどん戦死し、物資も不足し、女性も竹槍の練習をしたり、お寺の鐘や、一般家庭の鍋まで兵器用に没収されても、日本国民は「天皇陛下のため」に、協力をしました。その国民が一丸となる「集中力」が、戦後にも発揮されて、わずか10数年で、東京オリンピックを開催するに至ったのですよね。その日本国民のすごさを保坂氏は評価しています。私も、焼け野原からの復興した日本国民の素晴らしさはすごいと思います。今、アメリカがマッカーサーが日本に対して行ったことと同じことを中東の某国にしようとして、手を焼いているのをみると、日本人っていい意味で、従順で温厚で目標に向かって一致団結する力が素晴らしいな、と思います。だからこそ、正しい方向へ導いてくれるよきリーダーが必要なのですね。
ちなみに、この本はアマゾンでは恐ろしく評価が低いです。
この本一冊で太平洋戦争を理解したつもりでいてはいけない、ということでしょう。
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