ひと月10万円の生活

「れんげ荘」と「働かないの」は 群ようこさんの 連作の小説。主人公のキョウコは 40代で 会社を辞めて ひと月3万円の家賃のれんげ荘で 一人暮らしを始めた。貯金をひと月10万円づつ取り崩してのつつましい暮らしだ。そんなせいかつを決心した 理由の一つは もう働きたくないということと ヒステリックな母親との同居に耐えられなかったから。

ありあまる時間にとまどいつつも キョウコが 質素だけれど 自分の価値観を大切にして 小さな幸せを感じてゆくところが素敵だと思った。健幸堂で仕事をすることは 私にとっては生活の中で幸せを感じる大切な時間なので、働かないという選択肢はあり得ないけれど キョウコの考えや行動には大いに共感した。読むと心が温かくなり 心に残る小説だった。

健幸堂のホームページ
http://www.kenko7.com/

れんげ荘 (ハルキ文庫 む 2-3)

れんげ荘 (ハルキ文庫 む 2-3)