Sho Dog

誰もが知っているスポーツシューズのナイキの創始者である Phil Knightの回想記。

ナイキのことを何も知らないが 読み始めてすぐに熱中してしまった。今や世界的企業であるナイキが 日本のオニツカから輸入した靴を自宅に納入し、そこから細々と販売するところから始まったとはびっくり。シューズが順調に売り上げを伸ばしているにもかかわらず 融資を取り付けることと その返済の綱渡りに四苦八苦した著者。そのほかにも オニツカの裏切りなど、困難の連続だ。経営者によっては この時点で挫折してしまう人もいるだろうが、Knightは「止まったら負けだ」と 走り続けた。彼は 根っからのランナーなのだ。そして、ナイキの創立メンバーにも 数人のランナーがかかわっており、ナイキを愛していた。オニツカには裏切られたものの、後にKnightに手をさしのべたのも 日本企業(日商岩井)だった。本の中でKnightは 数人の日本人を絶賛しており、また 日本人のメンタリティーや礼儀正しさを誉めている。私も日本人として嬉しかった。

この本は今や大企業となった成功談の自慢話というよりも、苦難や失敗、公開、悲しみそして その中にも喜びがあり、読んでいて ページをめくる手が止まらない。

私には Knightの文体はとても詩的で物語を読んでいるような心地よさもあった。

英文もかなりシンプルなので英語学習者にもお勧めだ。

健幸堂のホームページ
http://www.kenko7.com/

Shoe Dog: A Memoir by the Creator of Nike (English Edition)

Shoe Dog: A Memoir by the Creator of Nike (English Edition)