スクラップ・アンド・ビルド

羽田圭介の第153回芥川賞の受賞作。

「死にたい」が口癖の祖母を介護する孫の健斗の 心の動きを綴った小説。健斗は仕事を辞め、次の仕事に着く準備として 就活とともに資格の勉強中だが、独学なのでなかなか集中出来ない。家の中では祖父の介護を任されていつのだが、次第に「死にたい」という祖父を 生活能力を失うようにリハビリ的な仕事を奪って 楽に死なせてあげようと考える。たくらみ通り 祖父は運動機能や認知機能を徐々に失ってゆく。

健斗がふとしたきっかけから体のトレーニングに目覚める。そして体が強くなってゆくとともに 精神も強くなってゆく。

強くなってゆく健斗と 弱ってゆく祖父の比較が面白い。

羽田さんは テレビのバラエティー番組などにも頻繁に出演していて、顔は良く知っていた。今回 この作品を読んでみて 「やっぱり芥川賞作家ってすごい!」と思った。場面のや心の変化などの描写に引き込まれて どんどん読み進めることが出来た。

健幸堂のホームページ
http://www.kenko7.com/

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