富士日記(上)

今日は海の日の祝日だが、山方面の本について書こうと思う。

富士日記は 作家の武田泰淳の奥さんである武田百合子さんが 富士山麓に建てた別荘での日々を綴ったものだ。

この本を読むのは私の人生の中で3度目だ。1度目は20年ほど前だと思うが 市立図書館で何気なく借りて読んで衝撃を受け、数年後にまた読みたくなって 上中下の3巻を買い揃えて読み、ブックオフに売ってしまったものの また読みたくなって 今回改めて買い揃えた。

山荘での日々や買ったもの、食べたものを記してあるだけなのに なぜこんなに面白いのだろう?百合子さんの観察眼や その表現力が面白く、また この方の性格が伝わってくるような行動の記録も引きつけるものがあり、なんども笑ってしまう。1回目2回目の読書の時にはそれほど気にしなかった 季節の描写も素晴らしい。夏が終わるときの寂寥感などが伝わってくる。

読むのがもったいないような気持ちで味わいながら読んで もう1巻読み終えてしまった。2巻、三巻目も少しづつ楽しんで読んでゆこう。

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富士日記〈上〉 (中公文庫)

富士日記〈上〉 (中公文庫)