雪男は向こうからやってきた

nozomi612015-10-14

「空白の5マイル」を書いた角幡唯介の2作目の作品。(実際にはこの本に書かれている雪男の探索の方が先に行われた)

雪男を探すための探検に誘われたものの、角幡氏自身はあまり気のりしなかった。探検とは「地理的空白部分」つまり だれも足を踏み入れたことのない場所を探索することだとすれば、本当に実在するかわかない「雪男」を探しに行く、というのは どこか滑稽で笑いものの種になりかねない、とも考えていた。

それでも 実際にネパールで 雪男を探し求める人々と行動を共にするうちに 少しずつ気分も変わってくる。そして なぜ雪男を見つけるために命を落とした人が出てきたかも 理解できるきもちになってきた。。。

この本は 「雪男が本当に居るかどうか」ということよりも、雪男に取りつかれる人の心理を 多くの資料や取材、 体験した探検から探りだそうとしていると感じた。

探検自体は 前回の「空白の5マイル」の方が緊迫感があり 面白かったが この本も 角幡さんの すばらしい文章力で ぐいぐい読み切ることが出来た。



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