空白の五マイル

探検家の角幡唯介(かくはた ゆうすけ)の探検記。世界中で探検しつくされてもう人の知らない世界は無い、という現代において 世界の探検の歴史の中、いまだ未踏査になっていたチベットとインドとの国境に近い秘境を探検した記録だ。チベットやインドというと乾いたイメージがあるが、この渓谷は あまりに谷が深いため 非常に湿度が高く、したがって 探検するには ヒルやダニに刺され続けることになる。最後には食料も尽き、痩せた体から 安全のために装着するハーネスがすり抜けてしまうほどになる。。。こういう話には いつも本を閉じたくなるのだが、この人の文章力はすごい!!もと朝日新聞社の新聞記者だけあって、当時の状況を客観的に描写しながら、そのときの気持ちや考えたことを 人を引きつける文章で表現している。探検家は いくら素晴らしい探検をしても、体験談を書くには人に伝える能力も必要なのだと知った。「読んで良かった!」と思える本。また読み返そうと思う。



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