熱い小説!
松田松陰と高杉晋作、という名前はよく見聞きしていましたが、この長州出身の情熱に燃えた若者の話についてはほとんどしりませんでした。その二人を主人公にした長編小説が司馬遼太郎の「世に棲む日々」です。たまたまブックオフに本を処分しに行った時に全4巻まとめておいてあったので、買い求めて読んでみました。(司馬さんの小説は人気が高いのか、古本屋で揃えて買えることはあまりないようですので)
歴史に詳しくない私には、スラスラ読むには難解な箇所もありましたが、当時の長州(山口県)の置かれている状況、今のまままではいけないと私欲を捨てて戦う若者たちの情熱が伝わって来て読み応えのある小説でした。司馬さんは、他の小説でも長州人の熱さを「狂」などと表現したりしていますが、その言葉の裏に、世の行く末を案じて熱狂する長州人に対する愛情がとても感じられます。山口、という私の住む愛知県から遠く離れたあまり知らない場所に憧れをいだきます。
この二人のみならず日本中で燃えるような衝動に掻き立てられて行動をおこした年代が主に20歳代だということを考えると、自分も含めて今の日本人って、のんびり平和に暮らしているのだと思わざるを得ません
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