私の中の彼女

セミナーへ行く際に 新幹線や地下鉄の車中で読もうと思い 私の通うシルバーバックジムの「ミニ図書館」で借りた本。作者は直木賞作家の角田光代さんだ。

平凡な大学生が ふとしたきっかけから小説家になる。小説を書いていた彼女の祖母の話を伏線に、最高の恋人であった男性と次第に心が離れ、自分を見つめなおしてゆく話だ。

角田さんの著書は何冊か読んだことがあるが、 人の内面を「言葉で」表現することがとても上手い。恋人の一見親切で優しい言葉が ジワジワと主人公を真綿のように締め付けてゆく様子にひきこまれた。あやうく降りる駅をのりすごすところだった。

自分ではこれで良い、と思って行動していることが 案外 人の言動に左右されているかもしれない、ということを警告している一冊にも思え、感慨深い作品だった。

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