The Hotel New Hampshire

John Irvingの小説。

夢を追ってばかりの父親についてゆく家族の物語。

Irvingの小説らしく、レイプや近親相姦、死など 目を背けたくなる描写も多いけれど 個性的な家族に起こる出来事が非常に面白く、物語の展開に目が離せなくなる。一家がアメリカでホテルを経営したのち、ウィーンで再びホテルを経営するのだが、そこには 娼婦や テロを企てる過激派が住み込んでいたり、「こんなことあり得ない!」と思うような設定なのだけれど、でも「人生はうまくゆかないことが当たり前」というメッセージを感じ、「いろいろ大変だけれど、それでも たくましく生きてゆこう」、と作者に語りかけられたような気がした。

レイプされた姉が 家族そろってレイプした相手に仕返しをする場面が痛快だった。

今まで読んだIrvingの小説の中でも一番面白かった。英語も他の作品よりは専門用語が少なく 分かりやすかった。悲惨なのに、なんだか元気の出る小説だ。

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