The Water Method Man

nozomi612016-01-24

John Irving が29歳の時に書いた小説。

主人公のBogusは全くのだめんず(ダメ男)だ。留学中のオーストリアで知り合ったBiggieとの間にCouthという男の子が出来てしまい、激怒した父に一切の仕送りを絶たれてしまう。アメリカに戻って アルバイトなどで生計を立てている間にも 女生徒に誘惑されて エッチな行為に走ってしまい、奥さんにばれてしまう。そして、あるひ突然妻子をのこして 失踪した友人を探しにオーストリアへふらりと出かけてしまう。現地から強制送還されてアメリカへ戻ってみれば 奥さんは愛想をつかして なんとBogusの幼馴染の Couthと結婚していた。新しい恋人のTulpenと暮らし始めても また 突然Tulpenをのこして 自分の子供に合うために消えてしまう。。。

どうして Bogusがこんな不安定な行動をおこしてばかりか分からなかったけれど、少し考えて気づいた。人は、とくに一部の男性は 一つの仕事や家庭というものに縛られるのが怖くて逃げだしてしまいたくなる衝動に駆られるのではないだろうか。いつまでも自由なピーターパンのままで 大人になるのが怖いのかも。

それにしてもBogusは幸せだ。分かれた妻にも その子供にも そして 自分の奥さんの夫になった幼馴染にも 新しい恋人のTulpenにも 友人のRRalphにも 軽蔑の言葉をかわされたことはあっても 最終的に大切にしてもらっている。とんでもないダメンズだけれど 人間的な魅力があるからだろう。


この小説に限らず Irvingの物語は すごい正義の味方とか悪者は出てこなくて 人間の弱弱しい部分を優しい目で見つめて それが人間なんだから大丈夫、とメッセージを伝えているようでいるようでいいなあ、と思う。いつも切ないけれど優しい気持ちになって余韻を楽しむことが出来る。


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